キミが、好きです ~茜色の空の下~



―――………





「南さん、初めまして。
莉歩さんの担当医の……相模(サガミ)です。
検査の日程です、目を通しておいてください」


「はい、分かりました」




穏和な笑顔が特徴な、

優しそうな男の先生。




今日から莉歩は定期検査で数日入院するんだ。





あれから結局……まだ歩くことができていないんだ。


「……叶多。
あたしのワガママに付き合ってくれてありがとう。
この街が好き、っていうのもあるんだけどね?


こころちゃんに会えたらな、って」


「……え?」


「ほらー、ちゃんと話さないで………別れちゃったでしょ?」



莉歩……。


明るく振る舞ってるようにみえるけど、

表情は一段と暗い。










< 245 / 260 >

この作品をシェア

pagetop