私たち、政略結婚しています。




「だいたいさ、何で結婚なんてしたのよ。好きだと錯覚しているだけよ。
私がずっと待っていたことを忘れたの?

お陰で色々と大変だったのよ」

亜由美はドサッとソファに座ると今度は怒ったようにブツブツと言い始める。


「克哉の目を覚まさせるのにどれだけ苦労をしたか。

まあ、時間はかかったけれど、あの子を本当は本気で好きじゃないことに気付いてくれて良かったわ。

政略結婚なんてあり得ないもの」


…政略結婚…。
そうなのか?

初めは確かに浅尾屋を救うためだった。
だが、それもまとまりかけた縁談を俺が壊したんじゃないか。

政略結婚じゃない。
これは俺の意志がそうさせた。

佐奈を誰にも渡したくないと。



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