私たち、政略結婚しています。
そのまま会社の外まで出ると克哉は目の前に停まっていたタクシーの窓を小突いた。
扉が開くと私を中に押し込む。
「どこに行くの?!」
自分も乗り込みながら行き先を運転手に告げると、私をチロッと見る。
「許可は取ってある。承認も通った。信じられないほどにスムーズだった。
まあ、上層部は面白がってるだけかも知れないけどな」
「は?!何の話よ!!」
「ごちゃごちゃと説明するよりも手っ取り早い。
俺って天才かもな」
「天才じゃないわ!バカよ!!
意味が分かるように説明しなさいよ!!」
私が喚くと克哉はそんな私の頭を撫でて笑う。
「内緒。逃げられたら困る」
「はぁ?!何なのよ!!戻るわよ!!」
「はははっ。また怒ってる。面白い奴だなホント」
「キーッ!!意味が分からない!!」
それから私が何を言っても克哉はただ、ニコニコと笑うだけだった。