私たち、政略結婚しています。


そのまま会社の外まで出ると克哉は目の前に停まっていたタクシーの窓を小突いた。

扉が開くと私を中に押し込む。

「どこに行くの?!」

自分も乗り込みながら行き先を運転手に告げると、私をチロッと見る。

「許可は取ってある。承認も通った。信じられないほどにスムーズだった。
まあ、上層部は面白がってるだけかも知れないけどな」

「は?!何の話よ!!」


「ごちゃごちゃと説明するよりも手っ取り早い。
俺って天才かもな」


「天才じゃないわ!バカよ!!
意味が分かるように説明しなさいよ!!」


私が喚くと克哉はそんな私の頭を撫でて笑う。


「内緒。逃げられたら困る」

「はぁ?!何なのよ!!戻るわよ!!」

「はははっ。また怒ってる。面白い奴だなホント」

「キーッ!!意味が分からない!!」


それから私が何を言っても克哉はただ、ニコニコと笑うだけだった。



< 205 / 217 >

この作品をシェア

pagetop