林檎が月をかじった夜に

気まぐれ原





 リンゴを見つけるのは、簡単なことのように思えました。

リンゴの真っ赤な色は、雲の上では目立つはずだからです。




 ところが、エンがどんなに目をこらしても、赤色どころか、何も見つかりません。


耳をぴんと立てているモヘにも、リンゴの転がる音は聞こえないようでした。




 そうこうするうちに、雲はちぎれて、いくつもの島になり、あたりの様子をすっかり変えてしまいました。
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