チェンジ type R
 本当ならば、この人物を外に呼び出して、元に戻る方法を一緒に探すべきなんだろうけど……。
 何故か隼人くんの名前を知っていることが引っかかる。
 別に罠があるというわけでも無いだろうけど、まずはこの『隼人』と名乗るメール相手の正体を突き止めることが先決であるように思う。
 だが、現時点では何も情報が無いのも同じ。
 隼人くんと相談するといったところで、

――これ、誰だろうね?

 結局、隼人くんに向かって問えるのもそれくらいの質問になってしまう。
 隼人くんにしたところで情報がまるで足りないのは私と同じ、聞いてみたところで相手の正体が分かるはずも無いのだろうけど。
 それでも、この質問に対する隼人くんの返答次第で私たちがこの後取るべき行動が決まるのではないかと思う。

 隼人くんが、この人物の正体を気にしない、というのであれば、このままこの人物を呼び出すメールを送る。
 隼人くんも、やはりこの人物の正体が気になるというのであれば、この人物の正体を探るメールを送り、その正体が分かってからこの人物と会うための算段をするべきだろう。

 状況は常に理解を超えてしまっている、そのおかげで私一人で、どういう行動を取るかを決めかねてしまっているような感じだ。
 果たして、隼人くんは……どちらを選択するだろうか?

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