チェンジ type R
第三章
 自分の身体の生命が危機であるという気持ちに勢い込んで飛び出した見知らぬ土地は――思ったよりも手強い。
 いやいや……駅までの道が全く分からないのだ。

 そんでもって、道行く人に駅までの道を聞いてみようか、なんて思ってはみたものの、だ。

――もし隼人くんの知り合いに声をかけてしまったらどうしよう?

 なんて心配が思い浮かんでしまって声をかけるどころじゃなくて。
 そんなこんなで広い大通りにでも向かおうなんて思いながら道を探して歩きに歩いたんだけどさ。
 どこをどう歩いてしまったんだか分からないんだけど。

――入り組んだ細い道に迷い込んで現在に至るわけです。
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