負け犬も歩けば愛をつかむ。
前回は酔って覚えていなかったお姫様抱っこに感動するのもつかの間。

ベッドに下ろされると、キスの雨を受け止めている間に、シフォンブラウスが肌を滑り落ちていく。


包み隠すものが取り払われていくごとに、たいして立派な胸じゃなくてゴメンナサイ、とか、下っ腹見ないで!とか、心の中で三十路の悲しい叫びを上げていたのだけれど。



「隠さなくていいよ、綺麗だから」

「そんなことないですよ……!」

「でも、恥じらう姿もまた堪らないな。そそられる」



酔っているせいなのか、そんなちょっぴりエッチな発言をする彼の唇や、舌や、指が。

アイスクリームを舐めるように甘く、ギターの弦を弾くように巧みに身体中を愛撫するから、細かいことを気にする余裕はなくなっていた。


こういう行為がだいぶご無沙汰だった私だけれど、彼の手に掛かると身体は敏感に反応して。



「や……っ、もぅ、だめ」



上り詰める感覚をあっという間に取り戻し、小さな悲鳴を上げて身体は悦びに震えた。

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