*花は彼に恋をする*【完】
投げられたブーケをキャッチした。

「ありがとうー!羽奈!」

私は手を振って応えた。

そして

もう一つのブーケを受け取った

明凛ちゃんに視線を向けた。

棚橋明凛(たなはし あかり)。

羽奈と同じ短大時代の

友人だったと言う彼女は

私達と同期で友人でもある

営業2課の三橋大志(みはし たいし)

と交際中。

以前、羽奈が

高崎課長代理との交際の事で

悩んでいた時の恋愛相談で

皆で集まった際に仲良くなった。

明凛ちゃんは嬉しそうに

三橋に向かって何かを話していて

彼もそんな彼女に何かを囁きながら

お互い愛おしそうに見つあっていた。

来年あたりには結婚するって

三橋は言ってたっけ。

仲良さそうな雰囲気…。

羨ましい…。

見ているのが辛くなり

私は視線をブーケに向けた。



羽奈…。

漢字は違うけど

名前の読み方のように

綺麗で可愛いらしい花で

纏められたブーケ。

結婚式でブーケを貰ったのは

初めての事だから

それは純粋に嬉しくて

純粋に笑みが溢れるけど

片隅には複雑な感情が入り混じる。

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