いたずら太陽。〜世界で1つの光〜
私は次の日の昼近くに目を覚ました。

太陽がいた椅子に目を向けると太陽は眼鏡をつけて本を読んでいた。

メガネ姿…。

あっ声かけた方が良いかな?

「…太陽」

一瞬で私の方に目を向けた太陽は本を落とした。

そしてベッドに駆け寄り私を嬉しそうに優しく抱きしめてくれた。


「良かった…。良かった!」

ドキッ。

「昨日はありがとうね。
助けてくれたの太陽なんでしょ?」

太陽はそっと私から離れてからしばらく何も言わなかった。

太陽は、今にも消えてしまいそうな声で

「…ない。
オレは何もしてない。
感謝される事なんて一つもしてない…。」

太陽?どうしたの…?

苦しそうな中に怒りがこもった顔と声だった。

「太陽??」

「あっ…。ごめん…俺、先帰るわ。」

そういって後を向いたその背中は…。

「待って!!」

気づいたら私は太陽の服の袖を掴んでいた。

「好きなの!
太陽の事が好き。
だから、だから…。」

私何を言ってるんだろう。
今そんなことを言う場面じゃない事くらい分かってる。

でも今言わないとダメな気がする…。
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