もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~


横目で“だまれ”とでも言いたげに私を見たジュンは言葉を続ける。



「ここのバーベキューは漁師の人が主催だから、肉はねぇ」



「バーベキューなのに肉がないの?」



「バーベキューに肉があるって誰が決めたんだ?」



「…………」



そんなことは知らないけどさ、私が生きていた中ではバーベキューと言えば“肉”だった。



だから、“肉”が食べれると思って当然なんだけど……



ジュンやここにいる奴らには違うらしい。



「ジュンにジュンちゃん!!遅かったな!!早く食べろよ」



ジュンに言われたことに納得できないでいる私の耳に、ミキヤの大声が聞こえてきた。



「ジュンちゃんは高校生だから、ジュースでいい?」


と聞きながら、紙コップを渡してきたミキヤを睨みながら


「ビール!!」


と答えた。



ほぼ、八つ当たり。

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