もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

携帯電話の約束


ジュンにペースを乱されたせい?



私は、今リュウとカラオケに来ている。



リュウと話しているうちに“やけくそ”な気持ちは消えたと思っていたけど、そうではなかったみたい。



だって、今ここで名前しか知らない男とカラオケしてるなんて有り得ない。



どう考えたって、あの時の私は普通じゃなかったんだと思う。



見ず知らずの男に体を売ることは出来ても、リュウ曰く遊ぶことは出来ないのが私。



しかも、何より有り得ないのが、私とリュウの関係に金銭が絡んでないということ。



本当に絶対有り得ない、この状況。



トイレに行くふりでもして帰ろう。



マイクを握りしめ、よくわからない歌を歌っているリュウに「トイレ」と伝えようとした、その時……



ガタンという音と共に部屋の扉が開いた。



正式には蹴りとばされた。
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