もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~


「お嬢さん。何があったのか説明してもらえるかい?」



「え……」



やっと出た声は言葉にならない。



「この女は娼婦なんだよ。だから、俺が注意してたんだ。最近の若い女はどうしようもない。俺達の時代なら」



「ちょっと待ってください」



語り始めたおじさんの言葉を遮った警察官は、私の方を真っすぐに見つめ


「本当ですか?」


と質問した。



さっきまでとは、明らかに違う声のトーン。



冷たいその声に私はますます怖じけ付いてしまう。



「そんなわけねぇだろうが!!おっさん!!舐めたこと言ってんなよ?!てめぇも、いかれたオヤジの言うことなんか鵜呑みにすんな!!」



これぞ、正しく救世主。

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