もうスキすぎて～ヤクザに買(飼)われた少女～

「確かに不景気らしいよね」



暇に耐えられないのか、瑠伊は携帯を弄りだした。



「もう少し待ってみて駄目だったら、誰か呼ぶ？」



「純麗に任すよぉ～」



その場にしゃがみ込んだ瑠伊に視線を落としながら、誰を呼ぼうかと頭の中をフル回転させていた。



今日は朝まで一緒に居てくれる人がいい。



ホテルには帰りたくはないから……



ポケットから携帯を取出し、アドレス帳を開く。



“居場所”とグループ分けされている中から、今日の私の気分に最も適した人を選ぶ。



「瑠伊は呼ぶ人決まってる？」



「美味しいご飯が食べたい!!」



「そっか。私は誰にしようかな」



瑠伊が決まっているなら、早く決めないと……



と少し焦りながら、再び携帯を持っている手を動かすと、画面が切り替わり着信があることを私に知らせた。