もうスキすぎて~ヤクザに買(飼)われた少女~

「今日だけでいいから、頼む」



足を止め、私のほうへ振り向いたジュンに頷いた。



瑠伊がいない状況での始めてのバイトだけど、断る理由はない。



私の条件さえ飲んでくれれば。



「1つだけ条件がある」



「金額なら、後で……」



「違う!!」



お金なんて、どうだっていい。



お金欲しさにやってるなんて思われていることが無性に腹が立つ。



“カネ”なんかいらない。



私はそんな物求めてないの。



大きな声で言葉を遮ったせいか、不思議そうな顔をしているジュン。



「お金はいらない。夜ご飯がタダで食べれて、きちんと送ってくれるなら、それでチャラ」



「じゃあ、条件ってなんだよ?」



「朝まで私と居て」



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