Re : Birthday
せき止められていた言葉たちが、自由を手にしたように。
相変わらず無機質な声はいつの間にか心地よく響いていて、意外なことに少年はよく話す子供だった。
「泣きボクロ」
「うん?」
「お前の目の下に」
「ああ、うん」
「よく泣くの?」
少しだけ、本当に少しだけ、かすかに笑った少年の顔は、やはりとても美しかった。光に溶けてしまいそうだった。
そういえば彼は、あまりに整いすぎた姿形をしている。
こんな人間がこの世にいたのか。
いや、もしかしたら人間じゃないのかもしれない。