君と私と愛と
あの日
「会いに....行きたいな....会いに........会いに....会いに行くよ」

私の、手首にカミソリを当てる。君が居なくなって、五年が立ちました....君が居なくなって、私はこわれました。
私は、君に会いに行きます。君は、私を愚かだと笑いますか???そうでしょう....私も思います、私は、愚かだと....

ぷつっ....つー

流れる、赤い液体に私は口付をして鉄の味を噛み締める。あの時の味、あの日の真っ赤な君を思い出す。君は、私をかばったのです。かばったゆえに、こうなるのです。

私は、歌います。

君の歌を歌います。

笑顔の素敵な君へ送りたいのは、愛です。ただ、君にはもう伝えられないのです。星になった今も尚、遠くから私を見ていてくれてる君に、あえない時間、距離に私は耐えられなくて、今から君の元へ旅立ちます。

ぽたっぽたっ

流れ落ちた、血液は透明な水を汚していく。私は、低血圧で低体温症だから、私の血は真っ赤です。真赤な液は、鉄の味。真赤な液は、生きてる証です。今それを、私は流していくのです。


「さようなら....さようなら....わたし....あはは....」


もうすぐ、意識が無くなるでしょう。その前に、もし君に会えなかった時のために、一つだけ言わせて下さい。一つだけ、愛してください。


「....君の....愛が....好きでした....君の....笑顔が....私の........」


バタンっ


ああ、言えなかった。
ごめんね。ごめんね。君は、笑っているでしょうか。あの優しい笑顔で、あの優しい声で私を迎えて下さるでしょうか....
< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop