２度目の恋愛
龍樹 side

「……俺は、麻耶の事が…好きだった。」

…そう。俺は麻耶の事が好きだった。
でも、麻耶は産まれた時から持病があった。
…心臓に爆弾を抱えていた。
小さい俺はその事をあまり理解していなかった。

麻耶はいつもその事を隠すように俺の前では笑っていた……。

俺は、両親の都合でこの街から引っ越さなくちゃいけなくなって…その事を言えずにいる時…麻耶が倒れた。

麻耶は大丈夫と笑顔で言っていたが俺は麻耶の両親達の話を少し聞いてしまった。

「先生…麻耶は？…」
「…持病が悪化しています。このままだと…娘さんは…」

「っーー！先生！」
麻耶のお母さんは泣き崩れてしまった。

「麻耶……。」
俺もその場から走って逃げてしまった。

この街から引っ越すまで…あと一週間。

俺は麻耶にまだ、打ち明けられていなかった……。あの話を聞いて…。

今日も夕方麻耶の病室へ行った。
…部屋の中は夕日のオレンジ色の光が反射していて、涼しい風がカーテンを揺らしていた。

「………。」
「りゅうちゃん？…何かあった？」
麻耶が俺の顔を覗きこんできた。
「なんもなぃ…。」
「うそ～！変な顔してるよ！それにりゅうちゃん嘘つく時まゆ毛とまゆ毛の間がクシャってなるんだよ。」

え、。麻耶には…お見通しか。
「どーしたの？言ってよ～」とほっぺを膨らませて怒る麻耶を見ると…自然と笑顔になっていた。

「あのな……実は」






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