著者初の傑作青春小説!もう一度、 大切な仲間に会いたくて――。
空しか、見えない
- あらすじ
- 15歳の夏、臨海学校で一緒に遠泳をした8人組のバディ、“おしゃもじハッチ”。おしゃもじは、海を泳ぐための命札だった。10年経ったいま、突然その輪が一つ欠けてしまったことをきっかけに再会し、再び泳ぎだす。その中には、主人公・佐千子の音信不通になった昔の恋人も含まれていて…。 忘れていた何かを思い出させる、著者初の渾身の青春小説!
- 著者コメント
- 読者の皆さん、こんにちは。『空しか、見えない』を連載をしていた、谷村志穂です。一昨年から昨年にかけて、二週間に一度15枚ずつというペースで更新しながら書き進めていった小説が、この春ついに、書籍となって書店に並びます。ぜひ、応援して下さいね。この小説で私は、はじめて「遠泳」する仲間たちを、書きました。するというか、したというか。本当は10年前に一緒にバディを組んだ仲間たちでした。 「遠泳」と聞いて、おーっと思った方は、経験者かもしれません。「遠泳」って何? と首を傾げた方もあるでしょう。 日本は四方を海に囲まれた国です。実はいろいろな場所で、隊列を組んで、海の遠くへ向かって泳ぎだす「遠泳」の伝統があります。はじめて私がその伝統に知ったのは、たまたま乗っていた飛行機にのせてあった機内誌の誌上でした。九州の子どもたちが、毎夏、挑戦する遠泳の様子を綴ったドキュメンタリーのページでした。真っ黒に日焼けした子どもたちの中には、胸を張った子もいれば、不安でいっぱいな様子の子もいました。私がまず感じたのは、自分なら、間違いなく、不安で一杯だろうということ。だけど、もしも何とか乗り越えられたなら、この思い出はどんな風に胸に刻まれて、将来、どんな風に思い出されていくのだろうということでした。この小説では、千葉県房総半島の岩井海岸を舞台に、かつてバディを組んだ「おしゃもじハッチ」というメンバーたちの10年後の今をつづっています。ハッチは8名でした。その中には当然、私のような怖がりも、泳ぐのが大得意なメンバーも、いろいろあって泳ぐのを親から反対されているメンバーもいました。仲間たちは、理由あって再会し、もう一度泳ごうと決めます。ある夏に向けての、元ハッチたちの奮闘、ぜひ書籍でも改めて手にとって、いただけたら、うれしいです。
