高校三年生の春休み、たまたま訪れた図書館で始まった文通 なんだかんだ優しい彼に次第に惹かれていって、毎日電話するような仲になった けれど、彼は人が大嫌いで 「恋愛感情っていうのかな、そういうのを向けられるのが一番嫌いなんだ」 他人には勿論言わないけどね 彼は「友達」の私にそう言って笑った そっか、って私 ちゃんと笑えてたかな 私の初恋は、そうして気付かれる間もなく芽を摘まれたのだ 彼に想いを告げたわけでも、彼の口からフられたわけでもないけれど、でももう失恋寸前 せめて想うだけなら そう思っていた矢先に、告げられた余命宣告。 失恋未満で平行線をいく、余命僅かの私の初恋 ━━━━━━━━━━━━━━━━ 心臓病にて余命2年の年上 奥村雫(ｵｸﾑﾗｼｽﾞｸ) × 橘夏樹(ﾀﾁﾊﾞﾅﾅﾂｷ) 愛され知らずの人嫌いな年下 ━━━━━━━━━━━━━━━━ (友情以上の感情で想い合いながら気付かず不器用に生きる男女)