―――助けられるのはあなただけなのです やめてくれ。 もうやめてくれないか。 俺の前で泣かないでくれ。 泣いている女を見捨てられるほど俺は強くない。 ・・・ある日を境に俺は普通の男子高校生を辞めることになった。 自分の意思なんかではなく、むしろ強引に。 名を亡くした女王と、女王に命を捧げるために生まれた家臣、女王の座を奪い取ろうとする悪者。 なんだ、これ。 まるで日曜日の朝からやっているような子供が大好きなヒーローアニメじゃないか。 でも、俺はプリ●ュアでもなんでもねえ。 ただの健全な男子高校生だ。 だからって、なめんなよ？ 子供っちぃのは好きじゃないが、ヒーローぶるのも悪くない。 「まかせとけ。全部俺が何とかしてやっから」