不器用な大男と、鈍感な小動物系女子の恋のお話です。
もう、気持ちいいくらい強引にものごとが運びますがそれがなんだか心地よい。
中盤からは包み込まれる心地よさを主人公と一緒に感じる事ができます。
仕事とプライベートで揺れる主人公にも共感を覚えました。
個人的には友達の杏子ちゃんの作る料理がすごく美味しそうでした。

ヒーロー佐伯先生の俺様のみせるやさしさもこの作品の魅力ですが、ヒロイン加恋の医者そして、女としての大人の成長がこの作品の魅力です。
今手元にある恋に縋り付きたい気持ち。何か違うと思いながらこれが正しいと自分に言い聞かせる気持ち。
多くの読者が経験したことあるのではないでしょうか？

医者としての加恋と女としての加恋。両方を包み込めるのはやはり佐伯先生じゃないとダメだったんだと思います。

そして森くんに西野くん。水羽作品好きの私にはたまらない登場人物でした。

たくさんの人に読んでもらいたい素敵な作品です。

女嫌いの主任の恥ずかしいくらいの心の声がダダもれの異色の恋愛小説です。
もう拗らせ方が半端ない。
男性視点で、ほぼお話がすすみます。
彼女への一途な思いが溢れていて、読んでいるこっちが恥ずかしくなるくらい！
それぐらい甘いお話でした。
題名通りの溺愛具合をたくさんの人に読んでもらいたいと思います。

王子様も俺様も出てきませんが、等身大のよさがこのお話に詰まっています。
チャラ男のジョージと心を頑なに開かない胡桃。
ふたりがぶつかり合って（騒いでるのはジョージだけ）悩んで、固く結ばれる過程が丁寧に描かれています。
ジョージのせつないセリフに涙すること数回。
胡桃は決していい子ではないけれど嫌いになれない。
ジョージの成長と努力がこの恋を実らせたんだと思います。
おすすめです。

実は告白するまでヒーローの優吾は、ほとんど言葉を発しません。
でも魅力的なんです。
人物描写が巧みだからこそできることだと思います。
脳内でいきいきとヒロインのりんかと優吾が動き回ってくれます。
そして何よりもヒーローの親友で二人の同期のジョージが私のツボでした。
彼の恋の話が別作品で読めるとのことなのでそちらも楽しみにしています。