優しい恋人と過ごすクリスマス。
癌になり、貧乏な主人公ですが、この日はとても楽しんでいます。

恋人を爽やかな酸味を残す甘酸っぱい苺に例えますが、この話もそんな感じです。

大変な状況でも、特別な日には好きな人と好きなことをする。
自分へのご褒美っていいなと思わせてくれます。

心に深い傷がある男女が、どしゃ降りの雨の中交差する……

どしゃ降りの雨と散々な出来事が重なり、最初は暗く感じるかもしれませんが、読み終えると青空が見えてくるような小説でした。

二人の心が晴れますように……

生け贄にされる恋人のためドラゴンに立ち向かった青年は、ドラゴンの唾液によって顔を失います。そんな青年を見て恋人は態度を変えました。

生け贄にされる少女が増え、消えていく……。それを繰り返していく内に、不思議と親愛の情が芽生えました。

それもずっとは続きませんでした。青年は命を絶ち、ドラコンは雫を落とします。

青年の顔を奪ったドラゴンは、顔を返しましたが命までは取り戻せません。

ドラゴンが出す液体は青年の人生を狂わせました。
しかし、読んでいる内にこちらもドラゴンのことを恨めなくなってきます。

不思議で切ない感情が残り、考えさせられます。
最後に恨むべきなのは誰なのでしょう？

自分をスクールカーストの底辺組と認識する主人公は、モテる男子を好きになります。愛美という強力なライバルもいて、見ているだけでいいと思いながらも頑張ります。

たとえ見られていなくても好きな人のために頑張る主人公はとても素敵です。

頭では色々考えていて、恋をしたことがある人はとても共感できると思います！

気付かれないようにしていた主人公ですが、最後は思ったことを全て言ってしまいます。
言葉のぶつかり合いの後、恋の好きがわかって、言わなくても一緒にいる関係になりました。

本当に青春って感じのストーリーです！

とてもいい親友がいる主人公の周りで、殺人事件が起こります。殺されるのは主人公が嫌っていた子です。
いつも不思議な親友といた主人公ですが、保険医に忠告されます。
最後は主人公の思いと過去を知ることになり、怖いだけでなく切ないストーリーでした。
不思議な親友が出来た理由を考えると悲しくなります……。
怖くて、不思議で、切ない、心に残るラストです。

大切な人が死ぬのがわかったいたら、私もそれを防ごうとします。でも、この小説ではアイが死ぬ未来を変えられませんでした。

大切な人が死ぬのを何度も繰り返すのは悲しいと思います。でも、もし未来を変えてしまったら他の人の人生も変えてしまいます。

読んだ後、誰かの犠牲があって今の自分があるのかもしれないと思うようになりました。

そして、悲しい結末だけど、今を受け入れて生きたいと前向きな気持ちにもなれる深いストーリーです。

続きが気になってどんどん読み進めていきました。
変身するところやグロリアスと戦っているところがかっこよかったです！

「夢を見られるのも、それを叶えるために必死になれるのも、すごく奇跡的なことなんだよ」という言葉が心に残りました。