君に出会った頃、僕は何にも興味が湧かなかった。 当然、俯いていた君になんて全く気がつかなかったし、どうだってよかった。 ーー 私だって、君に興味なんてこれっぽっちも無かった。 いつものミーハー心でさえも動かされなかった。 ーー 僕たちは、ずっと俯いていた。

半年前の朝、声が出せなくなっていた… 半年前、突然声が出せなくなったが、1ヶ月前に声を取り戻した乾 栞（いぬい しおり） 簡単に"ことば"を伝えられない5ヶ月間の間で栞は、今までの自分の"こころ"は、"ことば"に追い越されていたと感じて… 友達、友達、恋、出会い 17歳の春は青くなくて、どこか赤みを帯びでいく…