天使の贈り物 

8.罪悪感の欠片





どこをどうやって歩いたか覚えてない。



ずぶぬれになって、
とぼとぼと歩いて辿りついたお店。



すでにバイト時間なんて、
終わっていた。





……ホント、何してんだろ……。






最低。


仕事も無断欠勤しちゃった。




自分で自分の信用落として、
空回りばかりして、
ホント……何やってんだろう。





服も髪も鞄も
ずぶ濡れで……
べったりと肌に、顔に張り付いて……。



水を含んで少し重たくなった服は、
雨と共に、容赦なく体温を奪ったんだと思う。



雨の中、何度も身震いする体を
無意識に両手で抱きしめて……
その場で崩れ落ちる。



雨なのか涙なのか、
もうわからない。




ただ……どうしていいのかすら、
未来が見えなくて。





自宅兼お店の……居候先にも
帰る勇気がなくて。





成実と煌太さんの元も飛び出した。




帰る家も自分で閉ざした。




……ホント、
 何してるんだろう……。





こんな自分は嫌い……。



大嫌い……。



< 46 / 178 >

この作品をシェア

pagetop