そこから先は、甘くて妖しいでんじゃらすゾーン。【完】

……と、思っていたら……


次の日、早くもおこちゃま詐欺師野郎から電話があり、ビーチクチョコの商品化を進めてくれとのこと。


「で、なんで白ポチャとヒョロ黒が出社してるんですか?」

「何言ってんの?久しぶりの新商品じゃない。頑張らなくっちゃ~」


ヤル気満々の白ポチャとヒョロ黒。美味しい話しがあるとすかさず嗅ぎつけ湧いて出てくるハイエナな様な奴らだ。


そんな感じだから、社内は活気に溢れ何度も試作品を作っては修正するという作業が続き、毎日夜遅くまで白熱した議論が繰り返されたんだ。


だからようやく完成したオッパイを手にした時は愛おしさのあまり抱き締め号泣してしまった。


「鈴音ちゃん、新人さんなのによく頑張ったね。こんなに短期間で完成させたの初めてだよ。後はパッケージのデザインとか商品名だね。

あ、そうそう、さっき陸君から電話があって、この商品ならギリギリスーパーとかコンビニでも販売出来そうだって言ってたから当初の予想より売り上げアップしそうだよ」

「えっ?スーパーやコンビニで販売って……じゃあ、今までどこで変態アメを売ってたんですか?」

「主にアダルトショップとか、いかがわしい雑誌での通販とか……かな」

「よーするに、変態向けってこと?」

「まぁ、そんなとこ」


なるほど……と納得したところで、私はあることに気付きハッとした。


うわっ!大事なことを忘れてた……


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