仕事しなさい!

2




公園に沿って、大通りを歩いた。

駅前を抜けると騒々しさは落ち着き、車と帰宅者ばかりが道を急ぐ。


私は通勤スタイルに戻り、薄手のシャツと膝丈の控えめなフレアスカート。手にはさっきもらった大きなバラの花束。
横を歩く須賀くんは、ボタンダウンシャツのスーツスタイル。


どこにでもいる会社員カップルみたいな二人。


私たちは、家路を急ぐ人々を避けて大きな歩道橋に登った。


7月。
夜気は日中の熱を失っていない。

歩道橋から、行き交う車を見下ろす。
斜め前に動物公園の入り口が見えた。



「今度、あそこ行ってみましょうか」


須賀くんの声は落ち着いていた。


「そうじゃなくてさ……」


私の方はまだ戸惑いを隠せないでいる。


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