仕事しなさい!
番外編2

未来を誓うその前に




「あのねぇ、折り入って話があるのよ」


「え!!今更なに?」


その晩の私の真剣な眼差しに、渡は動揺を隠せない様子だ。

薄暗い店内の照明より、窓からの夜景が彼の右頬を明るく照らす。
私はじっと彼を見据える。


今夜、私たちはちょっとお高いホテルのバーラウンジに来ている。
12月2日。
私の誕生日の前日。

そして、明日、私たちは入籍する。

つまり今日は31歳、安斉倫子・最終日。
明日からは32歳、須賀倫子になるのだ。


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