紅Ⅱ(クレナイ)~解き放たれる鎖~
二章 珈琲茶館 月輝


いつもより早めに起きた今朝は、あまり清々しい気持ちはしなかった。


それは夜中から降り始めた雨のせいで、部屋が薄暗いからなのか?




ううん、そんなんじゃない…。


理由くらい自分でも分かっている。



京極さんから、恢の居場所を聞いてからだ。




恢に会いたいと思う自分と、会わない方がいいと思っている自分がせめぎあっているだけ。


例え恢に会ったところでどうこうなるなんて、ある分けないのは分かってるけど…。




この思いは一体何なのか?


どこから来る思いなのかを知らなくてはいけない事は、分かっている。



じゃないと自分はこの先もずっと立ち止まったまま、蓮の胸に戸惑いなく飛び込む自信がない。


こんなにも恢を気になってる自分のこの思いを知るために、会って確かめるべきなのだと…。


< 92 / 317 >

この作品をシェア

pagetop