ヤクザの家族になっちゃった!?

テスト



クラスの前で別れるのかと思ったら、

一緒に入っていく龍之介さん。

…え、

少し戸惑いながら席につくと

「せんせーおそーい」

との声が。

え、

もしかして、次の授業って…

慌てて時間割りを見ると、

“数学”

の文字が。

あ、龍之介さん

授業あったんだ…

仕事より私を優先してくれたの?

そう考えたらものすごく嬉しかったけど

他の人に迷惑かけたんだと思ったら

すごく申し訳なくなった。

なんて、反省してたら

龍之介さんの口からあり得ない言葉が。


「テスト勉強しておくように言っただろ」


…テ、テスト?

そりゃね、学校だしね、

テストくらいあるよ

そのくらいは知ってたけどさぁ…

聞いてないよ!?

しかも転入してすぐとか…

しかもしかも…一度も数学の授業受けてないのに…

点数取れないでしょ、絶対に…


なんて絶望してたら

テスト対策としてプリントが配られた。

プリントに目を通すと、

なんと…!

中3の問題がずらり…。

…え、

えっと、高校生って、中3の勉強してるの…?

なんて戸惑ってたら、

るりがこっそり

「みんながバカすぎて進まなかったんだよ」

って教えてくれた。

みんなって言うより、大河とるりな気がするのは私だけですか…?

なんて考えてたのに、

回りのあちらこちらから

「難しすぎるよー!」

とかまぁ、批判の声が。

うそ、中3の問題よ?

…わぁお。

少しあきれながら問題を解く。

…あ、でも、

少し忘れてるわ。

まぁ、中学卒業して4ヶ月経ってるからね。


でも、何回か解いたらなんとかなりそう。

よかったー!

安心しながら、
何があったか聞き出そうとするるりを落ち着かせ、

プリントを解く。

うん。

これならいける!

確信を持った私は

余裕で他の教科にも手を出した。


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