甘く熱いキスで

月明かりの下

「――――以上です」
「そうか。ライナー」

上司である精鋭部隊のリーダーの報告を後ろに控えて聞いていたライナーは、突然自分の名前を呼んだ国王に返事をして視線を移した。

「ヴィエント王国側から謝礼を送ると連絡があった。明後日には届くだろうから、訓練後にエルマーの執務室で受け取れ」
「はい」

軽く頭を下げてもう一度返事をする。

それからヴォルフは「もう下がっていい」と言い、隣に座っていた王妃フローラに手を差し出して裏側から謁見の間を出て行った。

それを見送ってから報告に来ていたライナーたち精鋭部隊の面々が城の廊下へと繋がる扉から出て行く。

ヴィエント王国から帰ってきて直接帰還報告にやってきたライナーたち精鋭部隊は全員が謁見の間に顔を出した。

今回、任務においてライナーはヴィエント王国にとって利になる働きをした。ベンノにヴィエント王国に恩を売ること、またカペル家の名を上げるようにとしつこく要求されていたけれど、特にそのつもりはなかった。とはいえ結果的にそれを成し遂げた形になり、ベンノの機嫌取りができたであろうことは良かったと思うが、それをよく思わないのは……
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