「琴音、ちょっといいかな?
言おうかどうか迷ったんだけど……」


仕事が終わり帰ろうとすると、友香に呼び止められた。


「なに、どうしたの?」


「……あのね、この間なんだけど隆史のところに居たときに、ちょうど隼人さんが来たんだよ。

それで私に琴音の事を訊いてきたよ。

隼人さん本当は琴音と別れたくないんじゃないかなぁ?
行く前にもう一度会って話した方がいいんじゃないかなと思ったんだけど」


「……私達は別れたんだよ?
今さら話す事なんて…」


隼人と話す事なんてないよ……
待ってるって言ったのに拒否したのは隼人の方なんだし。



「…私は、もう隼人とは合わないよ。
話す事なんてないから」


「で、でもっ」


「ねぇ、隼人の事はもういいよ。
バスの時間が心配だから、もう行くね」



「ちょっと待ってよっ、琴音!」


隼人の事なんて、もう忘れるって決めたんだから。