殺戮都市
理沙の手を握って、それを俺の頬に当てて。


別れたくないと願っていたのに、永遠の別れになってしまうなんて、考えてもいなかった。


これはきっと、日本刀に頼り切った俺のせいだ。


俺自信がもっと強くて、日本刀に頼った戦いをしなければ、理沙は死ななかったかもしれない。


俺がもっとしっかりしていれば、キングの言葉に惑わされる事なく、理沙は俺の手を取っていたかもしれない。


理沙の死は……俺が頼りないから招いた結末だったのだ。


「ごめんな……理沙。ごめん……」


自分が情けなくて、そんな事しか言えない。


行き場のないこの想いを、俺はどうすれば良いんだ。


いつまでも理沙から離れたくない。


今まで面と向かって伝えられなかった言葉を、今なら言う事が出来るのに。












「理沙……大好きだ」














小さくそう呟いた俺は、そっと理沙と唇を重ねた。


生きている時には出来なかった、長い長いキス。


今までの想いを全てぶつけるように、ずっと。


恨む事で保っていた心が……緩やかに崩壊して行くのが分かる。


俺も死ねば、理沙と一緒にいられるのかなと、そんな事を考えるようになっていた。
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