ジグソーパズル

仲良し6人組を誘って。

私が勢い良くクラスのドアを開けたときには、仲の良い友達たちは一つの机に集まっていた。


私には高校一年生のときから仲良しの男女6人組がいる。


私を含めてのその6人組は、驚くことに全員片親。


私の住む町はド田舎でこの高校もクラスは1つしかないから、ずっと一緒だ。


休み時間も移動教室も放課後もいっつも6人組で行動している。


依存しているっと言うより、お互い家の事情が何と無く察せるから楽でいい。


私はそんな仲良し組の輪の中にはいる。


そんな私に真っ先に気づいた、少し大人しそうな見た目の女の子が言った。


「おはよー！葵！」


赤いメガネに短い髪を無理やり一つに結んで、穏やかに笑うこの女の子の名前は鮎川美優（アユカワ ミユ）。


優しくて可愛らしい大好きな親友。


すると今度は少しチャラそうな男の子が私を見て呆れたように言った。


「お前、毎回遅刻ギリギリだよなぁ」


色素の薄い髪に、横から風が吹いたような今時な髪型にバッチリセットしている、こいつは太田雅人（フトダ マサト）。


たまにうざいけど。


まぁ、悪い奴じゃない。多分。
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表紙・目次

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