ジグソーパズル
雅人にあっかんべーをしてから、近くの椅子を引っ張って来て座る。


すると今までイヤフォンをして音楽を聴きながらファッション雑誌を読んでいた長い茶髪の女の子が私に気づき、和かに笑って言った。


「はよー!!!今日も元気そうだねぇ!!」


頭がキンキンするくらいに大きな声を出して喋るこの子の名前は小野優恵(オノ ユエ)。


長い茶色の髪はふわふわとゆるくカールしてある。


服とかが大好きでとりあえず女子力が高いと思う。


残念なのは空気が読めないことと、声がデカイことと、ド天然なとこ。


本当それさえなければ……。


まぁ、でも真剣に相談に乗ってくれる親友。



私はチラッと真ん中で主のように足を組んで座っている男の子を見る。


顔が怖くて無表情で、サラサラの黒髪。


名前は神田裕紀(カンダ ユウキ)。


これだけだと、クールに思えるけどそんなのは見かけで騙されている。


今はただ朝だし、騒ぐことがないから静かだけど、騒ぐことがあったら1番うるさい。


優恵よりうるさい。


優恵よりうるさいっていうのは結構酷い。


私は裕紀から目を離して、みんなにチラシを見せて言った。


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