【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん



最後に入ると言われ頷くと


「由香里ちゃん。」


八重さんが声をかけ


挨拶について由香里さんにアドバイスをしていた。


「ええか?東と北は由香里ちゃんの事をどれだけ素晴らしい姐さんだかよう知っとる。

そやけど西と南は、表に出張る事がなかった由香里ちゃんやったから掴みきれてないんや。


ここでドンと掴まなあかんで。近藤が舎弟という事はみんな納得しとる。


そやけど目で見せてやりなはれ。


挨拶んとき、その扇子振りなはれ。


近藤がどんな気持ちを託したかそれでみんなわかりよる。


由香里ちゃんが感じたものをみんなに伝えてやって欲しいんや。」



八重さんの言葉に由香里さんは大きく頷いた。



「姐さん達の中には、仁義なんか知らんわゆう人もおるはずや。」


「はい。」


「気づかせてやらなあかんで。」


「はい。」




由香里さんの瞳はとてもまっすぐに八重さんを見つめ


大きく深呼吸をすると


「八重さんの扇子、綺麗に振ってみせます。」


にこやかな笑顔で答えていた。







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