【完】甘い香りに誘われて 3 極道若頭×やんちゃな姐さん



「みんなで笑えて良かったですよね。」


「本当にそうでごぜぇやす。日本中の極道がみんな腹くくりなおしやした。そのきっかけは、結衣さんなんでごぜぇやすよ。」


「え?違う違う。全然違う。」


「結衣ちゃん、ほんまそうなんや。結衣ちゃんの姿にみんな動かされたんや。」


「お父さん…。」


「西に植木と来はったことが始まりや。」


近藤組長が仰るとみんなが大きく頷き


「ほんまに極道に咲く白い花やと思ったわ。」


恥ずかしさのあまり俯くと


「ちっさい花やけどな。」八重さんが楽しそうに笑い



「え?ちっさい言った?」私が笑えば


「言うてない言うてない。」と答える八重さんと一緒に


みんなまで「言ってません。言ってません。」って大合唱で


私の仲良くなるおまじないは本当にすごい威力なんだと思う。


もう涙が出るぐらいたくさん笑った。



宴会場の準備が整ったようで、ぞろぞろと移動が始まった。





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