・約束
「雅也!連絡先とかはマズイって。規定違反…」


「大丈夫だよ坪井さん。春夏は誰かに教えたりしないから」

そう言って、雅也は私に連絡先を書いた資料を手渡した。




「時間ある時に連絡して」


「…え…?」




「行こう。坪井さん、次の現場はどこ?」


「あ…あぁ。汐留だ……小田さん、失礼します」

私を残し、雅也とマネージャーさんは会議室を後にした。





私の手には雅也の連絡先だけが残っている。

「…私にどうしろっていうのよ…」


動揺しつつも、そのまま捨てる事も出来ず
一先ず、雅也の連絡先を携帯に登録し、手帳に資料を挟んだ。

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