『冴えない夜も二人で…』

休日出勤の夜

私の秘密

「「お疲れ!」」

ガチンと勢い良くビールの中ジョッキがぶつかり合い貴重な黄金色の液体が零れそうになるのを上手くかわして口を付け、それを一気にノドへと流し込む

「ぶはぁー」

ジョッキの半分を飲み込んだところで漸く生き返った気がした…

「ふっ…相変わらず豪快っすねーー」

そう言って笑うのは会社の3つ下の後輩

今日はアホ課長の所為で私と彼そして他二名の社員が休日出勤をする羽目になったのだ!

「ホントにムカつく!あのアホ課長…

何が俺に任せて言う通りに動いてりゃイイだぁー?

私たち社員だけならまだしもお得意先の担当者まで休日出勤させてんじゃないわよ!」

課長の滅茶苦茶なスケジュールの組み方で二か所の顧客を同日に『ダブルブッキング』したことが発覚!

先方に連絡を入れて日程変更をお願いするもどちらからも『OK』の返事を貰う事は出来なかった。

そこで止む無く１日だけ休日出勤させて貰うことで何とか事なきを得たという訳だが…

一顧客にうちの社員が二人そして先方の担当者が巻き込まれる形になり休日返上で仕事をする事になったのだった