キミとネコとひなたぼっこと。~クールな彼の猫可愛がり方法~

~繋がり

 
***


「それは災難だったねぇ」

「ほんとですよー。すごく慌てちゃいました」


コタロウが怪我してから約2週間が経った。

コタロウは数日前に抜糸してもらい、エリザベスカラーもはずれて、すっかり元気な様子だ。

数日後に様子を見せに行って問題がなければ、怪我は完治したとされるだろう。

今日はいつもコタロウの定期検診や予防注射をしてもらっている“モリモト動物病院”に来ていた。

モリモト動物病院はコタロウが小さな頃から連れてきているこじんまりとした清潔感のある病院で、すごく親身になってくれる森本院長先生に対してはコタロウも今では怯えなくなっていて、私も安心できる病院だ。

一応、他の病院に通院していることを伝えた方がいいと思い、コタロウの様子を見てもらう意味でも連れてきたのだ。


「それで、つつみぎ動物病院に?それって、柚ヶ丘にあるところだよね?」

「あ、はい。本当は先生に診てもらいたかったんですけど……家から5分のところで近かったし、血も結構出てたので……すみません」

「いやいや。坂本さんの判断は正しいよ。コタロウくんのことを考えたらそれが一番いいからね。それに」

「え?」

「つつみぎ動物病院は僕の後輩がやってる病院だから、信頼もできる」

「えっ、そうだったんですか?」

「あぁ。僕も驚いたよ。あそこは移転してきてからそんなに年数も経っていないし、キレイな病院だろう?」


驚く私に対して、先生はくすくすと笑いながらそう言う。

 
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