縁は異なもの

日常

HRが終わった教室。


一気にみんなの声で騒がしくなった。どの子も「このあと○○に新しくお店できたから行こう!」「わぁー、行こう行こう!」「あ~部活めんどいわ~」「先生ー」などと話してる。変わらないいつもの光景だ。



あの日までは。





「春ちゃーん。迎えに来たよー」




その声を聞いた瞬間、教室はシーンとなった。みんなの顔が恐怖でひきつっている。先生までもいつもの威厳がない。




「……は、はい」


「今日も逃げないで偉いねー」


「……ッ」





私を迎えに来た人は笑顔でそう言うと無言で廊下へと歩き出した。これは“黙ってついて来い”という暗黙の指示だ。私は急いで荷物をまとめると彼の後を追った。




みんなや私も含めて目の前を歩いている人が怖いと思ってる。いや、目の前の人だけじゃない。E組全員が怖くてたまらない。





それはE組がその学年の問題たちが入るクラスだからだ。そのほとんどが不良。そのせいか校舎も離れていてE組の人とは会う機会なんてないに等しい。






それでも運のない私は今こうしてE組の教室がある校舎へと向かっているのだ。
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