秘密が始まっちゃいました。
「そして、平野部長の替わりに総務部の警備員・望月日冴が首謀者・荒神主任をコテンパンにして、厳重注意をくだしたって」


「だーれが、総務部警備員だ。そして、どんだけ話が盛られてんだ」


私は面白おかしく語られる武勇伝に眉をひそめる。


「しょうがないよー。みんな荒神さんには諦めてるけど、日冴は唯一文句言う人間なんだから。噂になるのは、日冴が仕事熱心で偉いってことだよー」


「私だって部長に頼まれて仕方なくだわよ!」


プリプリ怒る私をなだめようと、瑠璃がメニューを開いて見せる。


「とにかく、食べよ?お腹減ったよ。今日はガイガパオって、朝から決めてたんだから」


私は渋々、メニューに目を落とす。
よし、疲れたし、カオマンガイはライスも鶏肉も大盛りで、生ビールも頼もう。
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