冷たい彼は旦那さま

文化祭とサツキさん



「遥、髪長くなったね」


「そうですか?」


去年は肩よりも短かった髪も、今は腰より少しだけ下まで伸びた。


「………似合いませんか?」


恐る恐る翼さんに尋ねると、フルフルと首を振った。


「似合ってる。すっごい可愛い」


「っ」


翼さんの言葉にすぐに全身の体温だ上がる。


照れくさい。


「あ、そう言えばサツキがさ……」


サツキさんの名前が出てきた時、ドクンっと胸が高鳴る。


じわじわと変な汗が出る。


「いや、そんな身がまえなくても」


つい、力が入ってしまう。


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