冷たい彼は旦那さま
キスは抹茶味
「遥、ここは――」
「翼さん。一つ一つの説明しなくてもパンフレット見れば分かりますよ」
持っているパンフレットを翼さんの顔の前に突き出す。
翼さんは一つ一つ説明しようとする。
凄いとは思うけど、私は普通の会話がしたい。
思わずはぁーっと長い溜息を吐くと、翼さんがくしゃっと顔を歪めた。
「ごめん」
「……え?」
急に謝る翼さんに戸惑った。
「こんな所誰かと来たのは遥が初めてだから、
同案内したらいいかとか、何を話せばいいのか分からない」