星降る夜に。
♢終わりのとき
大輔さんに抱かれたあと、彼の腕の中で少し眠った。
私を大事そうに抱きしめて、眠っているうちに体が離れないようにと、ぴったりくっついてきた。
彼の心臓の鼓動がどんどん穏やかになってくると静かな寝息が聞こえてきて、それに引きずられるように私も眠りに落ちた。
わずかな眠りから目が覚めると、空はうっすらと明るくなり始めていた。
大輔さんが起きるまでにここを出なければ―――。
そうしないと、ずっとここにいたくなってしまう。
彼を起こさないように腕の中から抜け出すと、キスをした。最後のキスだ。
床に散らばった服たちは昨夜の私たちを物語っている。手早く着替えると、ベッドのサイドボードにジュエリーを置いた。
ピアスとアンクレットと指輪。
ここに置いていくと決めていたから。
部屋を出る前にもう一度、眠っている大輔さんの顔を見た。
形のいい額、くっきり通った鼻筋、少し薄いけど柔らかい唇。
この人と過ごした全部の時間を一生忘れない。忘れたくない。
大輔さん、こんな私を愛してくれてありがとう。私に夢を見させてくれてありがとう。
今度こそ本当に、さようなら。