キミと帰る道
◇2 初めましてのキミ
【◇2 初めましてのキミ】





(光輝)





俺は俺。
母さんは母さん。
父さんは父さん。
妹は妹。





隣の家の犬。
幼なじみ。





何回も記憶にいれてるから。





そう、わかるけど……。





すれ違った人。
ひとことふたこと話した人。





———そんな人は頭から消えてしまう。





だから、何度も何度も頭に記憶を入れるために。





何回も何回も話しかけて。






キミは誰?





———そう思わなくて済むように。
傷つけなくていいように。





本当はクラスメイトと仲良くしたいし。
友達だって作りたい。






だけど…一回話しただけじゃ覚えられねぇんだよ…。





だから俺は人に嫌われてしまうんだ。









キミはキミだとわかるように。






真っ直ぐな揺らぐことのない瞳。
ふわふわした透き通るような声。





…キミは誰?





お願いだから思い出したい。





だってキミはきっと…。
俺の光になってくれそうだから。





いや、もうなってるのかもな…。





だってこんなにも人のことを思い出したいと思ったことはないから。





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