「おーい、ドッヂボールしようぜ!」

とある昼休み、俺の声でわらわらと教室の連中が集まってくる。

「やるやる」

「リョウ、手加減してよ~」

ふん。

俺も成り上がったもんだと思う。

小学生の頃はチビだったっけど、中学に入った途端、背がぐんぐん伸びて、今や中学2年で172センチはある。

それに、俺の切れ長の目。

ちょっと怖い印象を受けるヤツもいるみたいだが、それが俺を強く見せる。

俺は群集を率いて、体育館へと向かおうとした。

……ヤツはついてこない。

クラスメイトの、サツキだ。

美人で、人気があったのに。

この間、脚の気持ち悪い傷をみんなに見せてから、サツキはもう俺の中で排除に値する人間になった。

明るいヤツだと思っていたのに、結局暗くて弱いヤツだった。

もう、アイツは明るい声で笑わなくなった。

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リアル  偽り  ピュア  シリアス  トリップ  曖昧  不器用  切ない 

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