グッバイ・メロディー
こうちゃんが目に映している世界はきっと、果てが見えないほど広く、想像もつかない色に輝いていて。
そんな場所に、そっとわたしを入れてくれて、ありがとう。
見たこともない景色を見せてくれてありがとう。
いつも当たり前みたいに傍にいるけれど、これは本当はとても尊い、かけがえのない幸福だということ、昔からちゃんと知っているよ。
「ずっと?」
「ずっと」
こうちゃんが小さく笑った。
つられて、わたしも笑った。
とてもあいまいでおぼろげで、だけどこうちゃんとのあいだにたしかに存在している“ずっと”を、わたしたちは幼いころからこんなにも長いこと共有しているんだね。
そしてそれは、きっとこれからも続いていく。
いつまでも。
どこまでも。
変わることなど、たぶん永遠になく。
「こうちゃん、がんばってね」
眠たそうな「ありがとう」が返ってくる。
その声を聞いたらわたしも眠たくなってきて、そのままふたり、同時に夢のなかに落っこちた。