きみと世界が終わるまで


頭上でバサバサッて音がしたからなにかと思えば、鳥が暗闇の中の空を優雅に飛んでいる。


「……なにが、なにがごめんなの」


まだ不機嫌そうなゆりあを見て苦笑いすると、僕はゆりあの目を見つめた。


きみにちゃんと僕の気持ちが伝わるように。


「ゆりあの話、聞いてなくてごめん。いや、聞いていたんだけど、ゆりあの笑顔が可愛くて、ゆりあの方見えなかった」

「……え」

「せっかく大好きなゆりあに会えて、こうして一緒にいられることができるのに、ゆりあのやりたいこと叶えるって言ったのに、僕が恥ずかしがってばかりだから、ごめん」


ゆりあの目を見ながら微笑んで、そうして謝ると、ゆりあはなぜか少し前の僕と同じように僕から目をそらして俯いた。


なにか悪いことを言ってしまっただろうか。


顔を俯けたままのゆりあを見て不安になったけれど……


「……見ないで」


顔を覗き込んでみると少し照れを含んだような声が聞こえたから、ああ、怒っているわけではなかったんだと変な安心感が生まれた。


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