クローバー的恋事情
ちぐはぐな恋
梅雨らしく雨の日が続く。どんよりした空を見ると、会社に行く足取りが重くなる。今日は、金曜日。今日1日頑張れば、明日は休みだ。

気合いを入れよう。

「おはようございます!」


「萱森さん、おはよう。今日も元気だね。今日は雨だけど、明日は晴れるみたいだよ」


「ほんとですか?じゃあ、明日はお出掛けしようかなー」


守衛のおじさんとのたわいもない話にいつも元気をもらえる。明日、たまにはお兄ちゃんと出掛けようかな。帰ったら、聞いてみよう。


♪~♪~♪


「はい、営業部販売課、萱森です」


「企画課の伊藤だけど、藤沢くんはいる?」


「お疲れさまです。外出していますが」


「あ、そう。じゃあ、萱森さんでいいや。ちょっと来てくれる?」


返事も聞かずに勝手に切れた。あんな自分勝手な人のところに行きたくない。でも、行かないと怒られるだろうし、何を言われるか分からない。

伊藤さんにパッケージを依頼してから、2週間が経っていた。出来上がったのかもしれない。
< 174 / 248 >

この作品をシェア

pagetop