全部、抱きしめて
「大瀬良さん、ここベランダですよ」

「だから何? このまま後ろから突いてやろうか?」

「だめ......」

あたしは声を漏らさないように必死だった。胸で弄ばれ体が既に反応してしまっていた。

「大瀬良さん......。これ以上は.....」

「これ以上は、何?」

「ここでは無理です。だからあの」

「ここでは、って。部屋ならいいんだ?」

大瀬良さんの意地悪な質問にあたしは小さく頷いた。


ベランダから寝室に移動すると、あたしはキスをされながらベッドへ押し倒された。

「由里子」

大瀬良さんが初めてあたしのことを下の名前で呼んだ。

「何ですか?」

「途中でやめてとかなしだからな」

「分かってます」

そう返事をしたあと、今度はあたしからキスをしていた。


ベッドの上の大瀬良さんは、とても意地悪だった。

「どこを舐めて欲しいの?」
「何を入れて欲しいの?」

こんなことばかり言うんだから。
でも、あたしは答えるしかなくって......。








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